2026/06/17
出産・離乳期の環境ストレス緩和により、成育期間の短縮と生産コスト・悪臭の同時改善を実証
#アグリフード
#家畜
畜産業界における家畜の病気リスク、肥育効率の最適化、そして生産現場における悪臭の課題。
TENKODOは、エネルギー自律型スマート素材「etell earth®」技術を実装したゴムマットや床面コーティング剤を活用し、持続可能な養豚実証実験を実施しました。家畜の成体としての土台を作る最も重要な時期である「出産後から離乳時まで」の環境ストレスを物理的に軽減することで、出荷までの期間短縮と管理コストの削減、さらには排泄物の悪臭分解において確かな成果を確認しました。
畜産・養豚現場における生産環境の課題
現代の集約型畜産、特に養豚の現場では、収益性の向上と衛生環境の維持において、以下のような特有の課題を抱えています。
デリケートな初期成育期のストレス:出産後から離乳時までの仔豚は非常に繊細であり、環境の変化や温度変化、周囲のノイズなどによるストレスを受けやすい状態にあります。この時期にストレスによる免疫力低下や健康状態の悪化が起きると、その後の成育サイクル全体に遅れが生じ、ヘルスケア対策などの管理コストを増大させる原因となります。
排泄物による慢性的な悪臭問題:畜舎内に漂うアンモニアなどの不快な臭気は、働くスタッフの労働環境を悪化させるだけでなく、周辺地域への環境負荷や家畜自身のストレスにもつながり、業界全体の長年の課題となっています。
デリケートな時期をターゲットにした還元環境の構築
私たちは、家畜に不自然な負荷を強いることなく、過ごす空間そのものを健やかに整えるため、etell earth®の電子供給能力を畜舎へ実装しました。
「出産・哺乳・離乳」フェーズへの集中実装:豚の成育サイクルにおいて、ストレスをかけて肥育していく前段階の、最も元気な豚の土台形成に関わる出産後から離乳時までの区画にフォーカスを合わせ、起電素材をゴムマットの下に敷設しました。豚の体圧を電子へ変換し、外部電源なしで持続的な還元環境を構築します。
畜舎の床全体への起電コーティング:排泄物が触れる床面全体には、独自の起電塗料によるコーティング施工を実施 。素材から常に電子が供給される場を創り出すことで、悪臭の原因物質を根本から化学的に管理する環境を整えました。
実証された成育効率向上と環境改善成果
実際の養豚事業における実証実験を通じて、家畜のポテンシャル引き上げとコスト・環境改善において以下の確かな成果が認められました。
健康状態の底上げによる「成育期間の短縮」:最もストレスケアが必要な離乳までの期間に電子供給環境で過ごした豚は、個体の健康状態が底上げされ、その後の成育サイクルが最適化されました 。結果として、出荷に達するまでの期間が短縮され、回転率の向上を実証しました。
管理・餌代コストの大幅な削減:家畜が健やかに育つことで、抗生物質などの医薬品使用を抑えるヘルスケア対策コストの削減を達成 。さらに、成育期間そのものが短縮されたことにより、出荷までにかかる総餌代の減少も確認され、ダブルのコスト削減による収益性の改善に寄与しました。
電子の力による「排泄物の悪臭分解」:起電塗料を施工した床面において、排泄物から発生する悪臭成分が素材の持つ電気的作用(電子供給)によって分解・抑制される効果を確認しました。これにより、一時的な臭いのごまかしではなく、空間そのものの改善能力を維持できることが証明されました。
アニマルウェルフェアを両立する次世代畜産へ
本プロジェクトの実証成果は、etell earth®技術が、過度な薬剤や電気エネルギーに依存することなく、畜産業の「生産性向上」と「環境負荷低減」を同時に成し遂げられる革新的な資材であることを示しています。
今後は、養豚分野での対象範囲拡張や、牛・鶏をはじめとする他の畜種への応用を推進。すべての命がその種らしく、健やかに共生できる社会と、持続可能な畜産経営の環境を創り出すため、国内外の畜産事業者や資材メーカーとのパートナーシップによる社会実装を加速させてまいります。
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